by Seo2 | Por Puro Amor Al Rap
火事と喧嘩は江戸の華、といいますが江戸の喧嘩は多くの場合口げんかだったんだそうです。
そういえば「喧嘩」の字は両方ともやかましいとかかまびすしいという意味ですねー。
江戸ッ子は本気に怒った時でも、衆目の前でいきなりなぐりあったりはしなかった。まずタンカを切る。そのタンカが、人の意表をつくとてつもない言葉を発した。すると、この言葉が聞いている周囲の町人たちをどっと笑わせた。目的はここにあった。相手側も負けまいとしてタンカを切り返す。それがまた相手の意表をつくとっ拍子もない言い方をする。そして、このタンカに見物人が笑う。
「個 対 個」で直接論破したりするのではなく、相手が見物人に笑われる状況を作る。日本人は「世間様」を重視しますから、笑われたり顔向けできないのは耐えられない屈辱だったんですね。
「べらぼう」とか「すっとこどっこい」とか「唐変木」とか、リズムのいい単語が早口な江戸弁に乗せてまくし立てられていくのは、傍で見ている分には楽しいのかも知れませんが。
あれですね、ラップのフリースタイルバトル。韻を踏んだりしながら相手をディスって聴衆を盛り上げて味方につけていくという。
しかしこの大江戸口げんか、あたまの回転の速さだったり洞察力だったり言語感覚だったりと必要なスキルが多すぎますね。自分のターンでシーンとしたらどんな気持ちになるんだろう。
敵のターン:爆笑!
俺のターン:シーン...
敵のターン:爆笑!
俺のターン:シーン...
敵のターン:爆笑!
俺のターン:シーン...
爆笑!シーン...爆笑!シーン...爆笑!シーン...
耐えられませんよこれは。
どんどん顔赤くなって声大きくなって涙目で過激なだけの発言したあげくに「くぁwせdrftgyふじこlp」とか言って逃げ出すのがオチだわ。